妊娠糖尿病
2016年7月8日
妊娠中の糖代謝異常は
・妊娠糖尿病
・妊娠中の明らかな糖尿病
・糖尿病合併妊娠
以上の3つに分類できます。
この内「妊娠糖尿病」は
「妊娠中に血糖値が高いことが初めて発見された糖尿病」です。
「今まで糖尿病なんて言われたことがないのに
妊娠したら血糖値が上がってしまった・・・」
という状態です。
3種類の糖代謝異常の内の
「妊娠糖尿病」について
妊娠中は胎盤からインスリン(血糖値を下げるホルモン)の働きを弱めるホルモンが分泌されるので
高血糖になり易いのです。
特に妊娠中期以降は血糖値が上がり易くなります。
妊婦さんは血糖値の上昇に伴って
膵臓から多くのインスリンを分泌させ血糖を下げるのですが
それができないと妊娠糖尿病を発症してしまいます。
お母さんが高血糖ですと
お腹の赤ちゃんも高血糖になり
合併症を起こす可能性があります。
お母さんと赤ちゃんが高血糖の時、
起こす可能性がある合併症については・・・
お母さん:妊娠高血圧症、羊水量の異常、腎症など
赤ちゃん:流産、形態異常、巨大児、心臓の肥大、低血糖症、多血症、電解質異常、黄疸など
現在、妊婦さんの12%ほどが「妊娠糖尿病」と診断されます。
ここ数年で4倍に増えています。
まさに、うなぎ上りですね・・・。
最近ではすべての妊婦さんにブドウ糖負荷試験で検査する病院も多いようです。
肥満や両親が糖尿の方はリスクは高いのですし
妊娠時、35歳以上という年齢もリスクを高めます。
原因があって結果があります。
原因を治しましょう!
妊娠糖尿でも、がっかりする必要はありません。
まずは食事の見直しです。
赤ちゃんをお腹の中で育てながらなので
・必要なエネルギーは供給し
・食後の高血糖は起こさない
・空腹時にケトン体を発生させない
という食べ方がお勧めです。
具体的には正常妊婦さんの30%カットの
エネルギー制限食です。
食べ過ぎを防ぐため、
少しずつよく噛んで食べましょう。
空腹時低血糖になるとケトン体が上がります。
これには、おやつと夜食を加えるなど
食べる回数を増やすと防げます。
妊娠すると体温が上がるので普通の時より暑いです。
暑いので、ついジュースやアイスクリームが欲しくなりますが
「液体で糖分の多いもの」は吸収が早いので
血糖値がグーンと上がってしまいます。
甘い飲み物は我慢しましょう。
砂糖が入っていない飲み物にしましょうね!
カロリー0で砂糖が入っていない甘い飲み物も
結局は血糖値が上がります。
「甘い味の飲み物は飲まない」と決めておいた方が安全です。
カロリーは制限しますが
ビタミン・ミネラルが不足するとインスリンを充分つくることができません。
ただでさえ不足しがちなビタミン・ミネラルですが
妊娠中は心がけて摂りたいです。
また、ストレスから交感神経が緊張し、アドレナリンやコルチゾールの分泌が上がると
血糖値がさらに上がり易い状態になります。
ですから「妊娠糖尿になってしまった・・・」と悩むのは
かえって状態を悪くする努力になってしまいます。
何だか難しそうで気が重いですか?
それも大丈夫です!!
妊娠糖尿で悩むより
気軽に相談くださいね。
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