セレンと精子運動率
2016年10月8日
セレンは体内に6~21㎎が存在する微量ミネラルです。
単独、あるいは酵素の構成成分として働きます。
男性の一日に必要な摂取量は55㎍です。
ところで、
WHOでは精子運動率が50%未満のものを精子無力症としています。
運動率の高い元気な精子は卵子まで泳ぎ着いて受精できます。
しかし、運動率の低い弱々しい精子は卵子まで泳ぎ着くことができません。
精子の運動率が50%より高い精子には
セレン・亜鉛が多く含まれ
その中でもセレンが特に多いことが判明しました。
一方、精子無力症の精子には
セレン・亜鉛が少ないことがわかりました。
セレンが不足すると過剰な活性酸素が発生し
形成途中の精子が活性酸素によって傷つくため
運動能力の低い精子が作られことがわかりました。
(Biomed Res Trace Elements 1999)
セレン不足で精子の運動率の低い不妊男性(46名)にセレン補給を行うと
精子運動率は上がり
セレン補給を行った中の11%の男性が受精に成功することができました。
セレンは精子にとって、とても大切な必須ミネラルであることがわかりました。
(British Journal of Urology , 1998)
セレンが多い食べ物は
かに、ほや、かつお、鰻、さわら、あじ、たらこ、帆立て貝、いわしなどです。
海の幸の食べ物が多いですね。
男性の1日必要量、55μgは
すじこ大匙一杯(20g)、たらこ(30g)まぐろさしみ7切(70g)ほどに当たります。
「毎日食べられるか?」というと難しいですね。
摂れている人と摂れていない人の差がある栄養素かと思われます。
また、海の幸の食べ物でも水銀の多い魚を食べると
水銀がセレンを中和し消耗するので
必要量が増加します。
水銀含量が多い魚としては
メカジキ、クロマグロ、クロムツ、キンメダイなどが挙げられます。
牡蠣は元気な精子をつくるために必要不可欠なセレン・亜鉛を
豊富に含有しています。
牡蠣肉の摂取によって
精子の運動率が上昇したとの学術報告が注目されています。
(薬理と臨床2010、etc)
でも毎日牡蠣を食べるのは難しいですね・・・
大丈夫!
牡蠣を原料につくられたオイスターサプリを摂取すると
血液中の亜鉛・セレン濃度が上昇します。
以上のデーターでオイスターサプリの吸収がよいことがわかります。
さらに、精子無力症の男性(15名)がそのオイスターサプリを摂取して
1ヶ月後には精子の運動率の平均が
37,4%から46,4%と明らかに上昇したデータがあります。
色々なオイスターサプリが発売されています。
すべてのオイスターサプリにこの結果が出るとは限りません。
品質のよい確かなものを選びたいものです。
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