多嚢胞性卵巣症候群(たのうほうせいらんそうしょうこうぐん:PCOS)
2016年7月11日
多嚢胞性卵巣症候群は無排卵症の原因として最も多いものです。
年々増えています。
超音波検査をすると
排卵されなかった卵胞が卵巣に残って連なり
ネックレスのようにみえます。
卵胞が連なっているので
「ネックレスサイン」とも呼ばれます。
血液検査では男性ホルモン、黄体化ホルモン、乳汁分泌ホルモンの
ホルモン値が高くなります。
特に慢性的な男性ホルモン過剰状態が特徴なため
「高アンドロゲン性慢性排卵障害」とも呼ばれます。
自覚症状としては月経周期が長い、あるいは無月経になります。
症状が強いと肥満やニキビ、多毛など男性化がみられます。
「多嚢胞性卵巣症候群」と診断された方でも
自覚症状はなく男性化もみられない方もいらっしゃいます。
治療には排卵促進剤、hcg-hmg注射を使用されます。
服用する薬剤として
インスリン抵抗性改善作用がある
メトホルミン塩酸塩(グルコラン)やピオグリタゾン塩酸塩(アクトス)
などを使用します。
排卵を助ける為に
厚くなった卵巣の表皮に切れ目を入れる手術をすることもあります。
多嚢胞卵巣症候群の中医学的みかたでは
「卵巣のまわりに於血(おけつ:循環していない滞った不良の血)や
痰湿(たんしつ:余計な水気)がこびりつき、卵巣膜が固くなった病態」
と考えます。
漢方ではまず、於血や痰湿を改善し
卵巣内の巡りをよくする薬草を使います。
そして、男性ホルモンと女性ホルモンのバランス
血糖を上げるホルモンと血糖を下げるホルモンのバランス
交感神経と副交感神経のバランスなど
ホルモンや神経のバランスを整えることで
治癒力を湧かせる手助けをします。
食べ物では
チョコレート、洋菓子、マヨネーズ、コーヒークリーム
チーズ、バター、マーガリン、ポテトチップ、揚げせんべい
など控えましょう。
脂肪の摂り過ぎを控え
血を汚さない食事療法が大切です。
素朴な和食が一番ですね!
また漢方を使う上で大切なことが1つあります。
それは胃を大事にすることです。
効果のある漢方でも胃腸の負担になると
結局「治す力」は湧きません。
胃腸を大事にしながらバランスを整えて
多嚢胞性卵巣症候群を治す力を湧かせる漢方を使いましょう。
実際に超音波検査で卵巣にネックレスサインを確認され
「多嚢胞性卵巣症候群なので体外受精でしか妊娠を望めません」
と診断された方ですが
大好きだったチーズなど乳製品やチョコレートを控えながら
漢方を6ヶ月ほど服用されて
自然妊娠された方がいらっしゃいます。
漢方はお母さんの健康に良く
赤ちゃんを胎内で育てる為のよい環境づくりになります。
コメントを残す